エルメスのバーキンを選ぶとき、「どの色が人気なのか」は気になるポイントのひとつです。
ブラック(ノワール)、エトゥープ、ゴールドなどは、バーキンを代表するカラーとして名前が挙がることが多く、中古市場でも数多く見かけます。
一方で、中古市場を見ていると、必ずしも「広く人気がある色=最も価格が高い色」とは限りません。
定番色よりも流通量の少ないカラーが高値で出ていることもあれば、同じカラーでもサイズや素材が違えば市場価格は大きく変わります。
つまり、「人気」と「中古市場価格」は同じものとして考えない方がよさそうです。
この記事では、バーキンの代表的な人気色を整理したうえで、LUXVALUEの市場データも使いながら、カラーと中古相場の関係を見ていきます。
バーキンの「人気色」とは何を指すのか
バーキンのカラーについて調べると、「人気色」「定番色」「希少色」といった言葉がよく使われます。
ただし、これらは同じ意味ではありません。
たとえばブラック、エトゥープ、ゴールドは、バーキンを代表する定番カラーとして中古市場でも広く認知されています。
服装や季節を選びにくく、長く使いやすいことも、こうしたカラーが支持される理由のひとつと考えられます。
一方、ローズ系など一部のカラーは、定番色ほど市場で多く見かけなくても、希少性などを背景に高い価格で流通するケースがあります。
ここで重要なのは、「多くの人から選ばれること」と「市場で最も高い価格が付くこと」を分けて考えることです。
人気を見るなら需要の広さが重要ですが、市場価格を見るなら需要だけでなく供給量や商品条件も関係します。
代表的な人気色はブラック、エトゥープ、ゴールド
バーキンのカラーのなかでも、ブラック、エトゥープ、ゴールドは代表的な定番色として扱われることが多いカラーです。
ブラックは非常にシンプルで、コーディネートや使用場面を選びにくいカラーです。
エトゥープはグレーとブラウンの中間にあるようなニュートラルカラーで、エルメスを代表するカラーのひとつとして知られています。
ゴールドはキャメル系のブラウンで、エルメスらしいクラシックな印象があります。
ただし、ここで「どれが一番人気か」というランキングを作ることには、あまり意味がありません。
人気の定義そのものが一定ではないからです。
検索数、販売数、流通量、買取店での需要、オークション価格など、何を基準にするかによって結果は変わります。
そのためLUXVALUEでは、人気色を単純に順位付けするのではなく、中古市場でどのような価格が形成されているのかを見ていきます。
人気色=市場価格が一番高い、ではない
中古市場では、商品の価格は需要だけで決まりません。
需要が強くても市場への供給量が多ければ、一定の価格帯に多くの商品が集まることがあります。
逆に、欲しい人の絶対数が定番色ほど多くなくても、供給量が非常に少なければ高い価格が付くケースがあります。
この違いを理解すると、「人気色なのに、別のカラーの方が高い」という現象も不思議ではありません。
定番色は幅広い需要を持つ一方、希少色は供給の少なさによって価格が上がることがあります。
つまり、人気の広さと価格の高さは別の軸です。

条件を揃えてバーキンのカラー別相場を比較する
では、実際の中古市場ではカラーによってどの程度の違いがあるのでしょうか。
ここで注意したいのが、カラー以外の条件です。
バーキンは同じカラーでも、サイズ、素材、金具、商品の状態、製造時期などによって市場価格が変わります。
そのため、ブラックのバーキン25とエトゥープのバーキン35を比較しても、カラーによる価格差なのか、サイズによる価格差なのかを判断できません。
カラーの違いを見るなら、できるだけ他の条件を揃える必要があります。
現在のLUXVALUE公開Marketでは、バーキン25・トゴという同一条件で、ブラック、エトゥープ、ゴールドの3色に公開データがあります。以下は色だけを変えた比較可能な条件です。
| 条件 | 現在の相場(中心価格) | 価格レンジ | 確認データ数 | Confidence |
|---|---|---|---|---|
| バーキン25・トゴ(Togo)・ブラック(Black) | ¥4,398,500 | 408万〜498万円 | 7件 | MEDIUM |
| バーキン25・トゴ(Togo)・エトゥープ(Etoupe) | ¥4,240,000 | 410万〜433万円 | 6件 | MEDIUM |
| バーキン25・トゴ(Togo)・ゴールド(Gold) | ¥3,675,000 | 368万〜406万円 | 4件 | MEDIUM |
ここで確認したいのは、「どの色が勝ったか」ではありません。
仮にある条件でブラックよりエトゥープの中心価格が高かったとしても、それだけで「エトゥープだから高い」と断定することはできません。反対の結果になったとしても同じです。
サンプル数や価格レンジも含めて見る必要があります。
また、一つのサイズ・素材の比較結果を、すべてのバーキンへ一般化することもできません。
市場データから分かるのは、あくまで「その条件では現在どのような価格が観測されているか」です。
定番色と希少色では「高くなる理由」が違う
ブラックやエトゥープ、ゴールドのような定番色と、流通量の少ない希少カラーでは、市場価格を見るときの考え方も変わります。
定番色の特徴は、多くの商品が中古市場に流通しながら、それでも一定の需要が存在することです。
一方、希少カラーでは市場に出ている商品自体が少ないことがあります。
その場合、少数の商品が高値で掲載されていても、それだけで定番色より「人気がある」と判断することはできません。
特に中古市場のデータを見るときは、価格だけでなくサンプル数を見ることが重要です。
10件、20件の商品から形成された価格帯と、1件や2件しか確認できない価格は、同じ意味ではありません。
高価格であることと、市場が厚いことは別です。

「売りやすい色」と「最も高く売れる色」も同じではない
中古市場では、「価格が高いこと」と「買い手を見つけやすいこと」も分けて考える必要があります。
幅広い人が検討する定番色は、買い手候補が広くなる可能性があります。
一方、非常に希少なカラーは高い価格が付くことがあっても、その価格で購入したい人がどの程度いるのかは別の問題です。
また、LUXVALUEが示す中古市場相場は、中古市場における販売・出品市場をもとにした相場情報です。
実際の買取価格や査定価格そのものではありません。
買取価格は商品の状態や付属品、店舗の在庫状況などによっても変わります。
したがって、「市場価格が高いカラーだから必ず高く買い取られる」と考えるのも適切ではありません。
同じ人気色でも、サイズ・素材・金具で評価は変わり得る
カラーはバーキンの市場価格を考えるうえで重要な条件のひとつです。
しかし、カラーだけを見るのは十分ではありません。
たとえば同じブラックでも、バーキン25と35では市場が異なります。
同じサイズ・カラーでも、トゴとエプソンなど素材が違えば価格帯が異なることがあります。
さらに、金具や商品の状態なども個体ごとの評価に関係します。
つまり、中古相場を見るときは、「ブラックのバーキンはいくらか」ではなく、「どのサイズで、どの素材で、どのカラーなのか」まで条件を揃えることが重要です。
カラーは価格を決める唯一の変数ではありません。

人気色なら、使った後も相場を維持しやすいのか
購入時に人気色を選ぶ理由として、「将来売るときにも有利なのではないか」と考える人もいるでしょう。
ただし、ここでも人気色だけで将来の価格を判断することはできません。
中古品では、購入後の状態が大きく異なります。
角のスレ、ハンドルの使用感、型崩れ、金具の傷、内側の汚れなど、同じモデル・カラーでも個体差があります。
また、中古市場そのものも変化します。
現在人気のカラーやサイズが、将来も同じ相対評価を維持するとは限りません。
そのため、「人気色を買えば資産価値を維持できる」と考えるよりも、現在の市場価格を見る際のひとつの条件としてカラーを捉える方が現実的です。
バーキンの色を選ぶとき、相場をどう考えればいい?
実際にバーキンを購入するとき、相場だけを理由にカラーを決める必要はありません。
バッグは実際に使うものであり、自分が好きなカラーを選ぶことも重要です。
一方で、中古で購入する場合や将来の売却も意識する場合は、自分が検討している仕様が現在どのような市場価格で流通しているのかを確認しておく意味はあります。
その際は、カラーだけを見るのではなく、モデル、サイズ、素材、カラーと条件を絞って相場を見ることが重要です。
人気色というラベルだけで判断するより、自分が検討しているバッグに近い条件の市場を見る方が、実際の中古相場を理解しやすくなります。
「人気」と「市場価格」は同じ指標ではない
バーキンでは、ブラック、エトゥープ、ゴールドなどが代表的な定番・人気カラーとして広く知られています。
しかし、中古市場で最も価格が高いカラーが、必ずしも最も広く人気のあるカラーとは限りません。
中古市場価格には、需要、供給量、希少性、サイズ、素材、金具、状態など複数の条件が関係します。
だからこそ、カラー別の相場を見るときも、「人気色だから高い」と結論付けるのではなく、条件を揃えた市場データを見ることが重要です。



